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議会報告

2008年6月20日 平成20年度_環境建設委員会-



 
◯こいそ議員
まず最初に、総量削減義務と排出量取引制度の世界的な動向、 及び、日本の状況について確認しておきたい。今回、都が導入をめざしている削減義務制度などは、世界的にはどの程度、導入が進んでいるのか。また、我が国においては、どのような状 況であり、東京においての導入はどのような意義があると考えているか。
○都側答弁
 大規模な事業所に対する温暖化ガスの総量削減制度は、2005年にEUにおいて初めて導入されたが、今日では、オーストラリアとニュージーランドも国全体での導入を決定している.また、これまで取り組みの遅れていたアメリカでも、全米50州のうち、24州で導入が決定されるか導入方針が示されており、それらの州の総人口は1億6千万人に達している。更に、大統領候補に決まったマケイン、オバマ両上院議員が、二人とも、大統領選挙の公約に、削減義務と排出量取引制度の導入を明確に掲げており、米国でも近い将来に全国レベルで制度が導入されることは、確実である。 これに対し、我が国では、国の様々な検討会で検討は行われてきたが、未だ、何らかの「実験」が行われると言われるだけで、いつから、どのような制度が導入されるのか、全く不明確な状況である。
こうした状晩の中で、日本の首都である東京が、明確な総量削減義務と排出取引制度を導入するという方針は、世界的にも大きな注目を集めており、東京の環境政策の先進性を明らかにするだけでなく、日本のステイタスを高める意義を有すると考える。

 
◯こいそ議員
 マネーゲームになっているとか、削減義務をめぐって訴訟が多いとかの批判もあるようだが、都はEUの制度をどのように評価し、そこからどのような教訓を得ているか、伺いたい。
○都側答弁
把担できていなかったために、削減義務の設定が適切に行えなかったなどの不十分さがあった。
マネーゲームになっているという批判に関しては、確かに投機的な行為も行われており、改善すべき点もあるが、最も活発に排出量取引を行っているのは、実際の規制対象になっている電力会社やエネルギー企業であることもわかっており、EUの排出量取引全体をマネーゲームだとする批判は正確ではないと考える。
また、削減義務に関する訴訟が多いという指揮についても事案確認を行ったが、多くの訴訟が行われているのは、ドイツであり、これには、ドイツの制度が約60もの例外ルールを設ける複雑なものであったという特殊事情によるところが大きいと言われている。
都においては、これまで地球温暖化対策計画書制度の6年間の運営で得られた対象事業所に関するデータをしっかりと踏まえた制度設計を進めて来ている点に違いがある。またEUから得られる教訓としては、投機対象とされにくい設計とすることや、制度の安定的な運用を因るためには、できるだけわかりやすいシンプルな制度にすることが重要と考えている。

◯こいそ議員
その後、本年5月には、東商が都の条例改正を評価する意見書を提出したが、それ以外の団体も含め、全体として東京の経済界との合意形成はどういう状況なのか。

○都側答弁
 ステークホルダー会議の会員以外にも、多くの団体、事業者と意見交換を行ってきた。その結果、今日においては、東京商工会議所以外の他にも、日本百貨店協会、日本ホテル協会、不動産協会、太陽光発電協会加盟の電気メーカー各社、東京ガスなど、都内の多くの主要な経済団体、企業から、「反対というスタンスはとらない」「削減に向けて、都と共に具体的な取り組みを進めたい」との意向をうかがっており、ステークホルダー会確にご参加いただいた殆どの東京の経済団体の方々とは、導入に関する合意が形成されて来ていると考えている。
 なお6月30日には、これらの団体企業の協賛を得て、「環境都市づくりシンポジウム」を開催することになっている。
 
◯こいそ議員
 実際の削減義務率の大きさは、今後、設置する検討会で検討するということだが、この環境建設委員会において、削減義務制度の審議をするのに、数値がまったく示されない、というのでは、十分な審議にならない。そこで、あえてお聞きするが、設定される削減義務率はどれ程度のものになると考えればよいのか。
○都側答弁
削減率については、ステークホルダー会議などの中で、多くの事業者の皆さんから、省エネ設備投資などによる対応を可能とするため、短期的な削減目標だけでなく、中長期的な目標を示してほしいという意見が出されてきた。このため、規則で設定する5年間程度の削減義務率の前提として、2020年までの削減の目安を示すことが必要と考えている。
 二つの視点のうち、まず対象事業所の削減余地に関して一例をあげると、オフィスビルなど業務系の施設で最もエネルギー使用割合の大きい冷暖房機器では、最新の省エネ型機器に更新することで最大約4割のエネルギーが.節減でき、ビル全体でも約10%程度の削減が可能になる。その他の照明機器の更新や運用対策などもあわせ、15%程度の削減余地があるものと考えている。
 一方、2020年までに25%削減するという目標の達成のために、業務産業部門などエネルギーの需要側に必要な削減率については、環境基本計画の検討の中で、約20%という試算が行われている。
 これらの試算は、あくまでも2020年までのものであり、5年間程度の削減義務期間に設定される削減義務率とは期間が異なるものであるが、これらの試算を中長和的な目安の数値として、具体的な削減義務率を今秋に設置する検討会で検討を行っていく。
◯こいそ議員
 いまの答弁で、削減余地の視点からは15%、東京全体の目標速球という視点からは20%という数字が示された。これは、大事なポイントなので、2点、確認しておきたい。
まず、この二つの数字にギャップがあるが、この差をどのように埋めるのか。
 次に、この15%〜20%という数字と、規則で定める削減義務率の関係はどうなるのか、うかがいたい。
○都側答弁
 まず、15%と20%の差をどう埋めるか、という点についでだが、削減余地の15%という試算は、現在、既に市場で販売されている製品の中で、最も省エネ性能の良い製品を利用した場合の試算である。
 某日酎こは、2020年までには、更なるエネルギー効率の改善など、省エネ技術の開発を見込むことができるし、再生可能エネルギーの利用が更に容易になることも考えられる。
したがって、2020年までを展望すれば、削減余地の積み上げと全体的な削減目標達成に必要な削械率の差は、それほど大きくならないのではないかと考えている。
 次に、この15〜20%という数字と規則で定める削減義務率の関係であるが、3点、考慮すべき点があると考えている。  第一は、規則で決めるのは5年間程度の削減計画期間の義務率であるため、2020年までを前提とする15〜20%とは異なること。第二に、2020年までを前半、後半とわけるとしても、均等に分けるのか、前半は削減率を小さく、後半に大きくするか、あるいは、その反対にすべきか、など事業所の対応のしやすさなども考慮し、検討する必要があること.第三に、ここが最も重要であるが、都がめざす25%削減という目標は、2000年比で2020年までに達成すべき数値であるが、これに対し、条例上の削減義務は、5年間程度の削減期間の排出量の平均値で削減すべき数値である。2020年までの最終日標を前提とした数値は、平均削渡率とは、当然違いがあるので、その差を考慮する必要がある。
 これらの点を考慮し、この秋に設ける検討会での検討を行い、本会議でもお答えしたように、今年度未を目途に、最初の削減計画期間の削減義務率を決めて行きたいと考えている。
◯こいそ議員
削減義務の対象となる約1300カ所の大規模事業所は、事業所数では、都内全事業所の0.2%以下であるが、業務産業部門の総排出量の約4割を占めており、業種の如何に 関わりなく、東京のC02の削減に大きな役割を果たしていただく必要があるものと考えている。
○都側答弁
 その上で、具体的な削減義務率の設定にあたっては、事業所のエネルギー利用の特性を考慮する必要があると考えており、オフィスなどの業務系の事業所と工場などの産業系の事業所では、異なる取り扱いが必要と認識している。
 業務系の対象事業所は約1000カ所であるが、その大半を占めるオフィス、ホテル、百貨店などの業種を見ても、冷暖房設備、照明による消費が全体の半分以上を占めるなど、エネルギーの消費構造に大きな差はない。このため、業務系の施設については、地域冷暖房を導入して、ボイラーや冷凍機などの熱源がない場合を除き、業種により、区分を変える必要はないものと考えている。
 こうした区分のあり方についても、今後、更に検討を進めていくが基本的には、あまり細かい区分にはならないものと考えている。

◯こいそ議員
 そこで、都は、テナントビルへの削減義務の設定にあたり、どのような工夫を行っているのか伺う。
○都側答弁
 テナントビルは、約1300の対象事業所の4分の1を占めており、テナントビルにおけるCO2削減を着実に進めるのは重要な課題である。今回の条例改正案においては、入居している全てのテナントに、オーナーの進める削減対策への協力義務を課するとともに、大規模なテナントには対策計画書の捻出を義務づけることとしている。
◯こいそ議員
 今回の改正案では、削減義務とともに、排出量取引制度も導入されることになる。本会徳での質疑でもやりとりがあったが、いくら取引が行われても、それ自体は、対象事業所全体の誹出削減には寄与しない。あえて排出量取引を導入する意義を、改めてうかがう。
○都側答弁
 排出量の削減をめざす省エネ投資は、光熱費の節減につながるメリットを生むものだが、大規模な省エネ投資は、それだけ初期投資が高くなるため、その回収にかかる期間は長期化する。このため、現状では、投資回収に3〜5年以上を要する省エネ投資は行われづらいのが実情である。
これに対し、排出量取引が導入されれば、大規模な省エネ投資によってC02の大幅な削減を行った替合、その排出削減分を排出量取引で売却することにより初期投資の回収を早めることが可能になる。排出量取引は、このように、これまで行われづらかった大規模な省エネ投資を促進する効果があるものと考えられる.
一方、設備更新の計画が数年後にあって、今すぐに自ら大幅な省エネ投資をして削減するよりも、当面は、他の事業所から削削減量の不足分を調達したほうが、その企業にとっては有利であると判断する事業所の場合には、排出量取引も利用して削減義務に対応する、という選択も可能になる。
 このように、排出量取引制度の導入は、削減対策に率先して積極的に取り組む事業所に経済的なメリットを与え、一方では、削臓義務への対応の方法について、事業所に選択の余地を増やし、柔軟な対応を可能にするという意義を有するものである。
◯こいそ議員
 排出量取引を導入することの意義はわかったが、必要とする場合に、実際に調達することができないとか、購入できる量が減って価格が高騰してしまう、というような問題が発生するのではないか、という見方もある。こうした事態が生じないようにするため、どのような対応が可能か。
○都側答弁
 排出量取引の問題点として、指摘されているような事態を生じないようにする最大の方策は、各事業所白身での削減を着実に進めることであり、都としても、省エネ研修会の開催などによって、事業者への技術的支援を行っていく。  更に、今回提案している制度では、中小企業の削減量や、自然エネルギー証書の利用も可能としている他、一定の制限を設けるものの、都外での削減量を取得して、義務の履行にあてることも可能し、いっそう柔軟な対応が可能なような配慮を行っている.

◯こいそ議員
 改正案を見ると、実効性を担保するための措置として、罰金だけでなく、事業者が措置命令を受けても削減しなかった分について、知事が代わって調達し、その費用を事業者に請求するという仕組みが用意されているが、その狙いについて伺いたい。
○都側答弁
 削減義務の制度は、本来、排出量の削減を目措すものである。罰金を適用しても、実際に未達成分の削減がなされるわけではない。このため、実際に未達成分を確実に削減するために、知事が代わって調達して義務に充当するという、代行制度を設けるものである。

◯こいそ議員
 最後に、我が国初の削減義務と排出量取引制度の導入に取り組む、局長の決意を伺う。
○都側答弁
 都は、低炭素型の都市に自らを変え、それを新しい都市モデルとして世界に発信していくことを考えている。これこそが都内企業が、来るべき炭素制約社会の中で生き現っていく術であり、経済成長を続けていく大きな力であると思う。制度の導入はゴールではなく、スタートである。がんばっていきたい。
       
       
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